on the road
一昨日の16日夜、東名横浜町田インターから一足先に帰省している家族と合流するために、山口に向けてひたすら走った。
道路は帰省ラッシュも過ぎて渋滞もなく順調に流れていたが、断続的にやってくる睡魔のため短い仮眠を何度か取りながらのドライブとなった。
東名高速道路を走るのは、久しぶりだ。
当時はカワサキのZ400GPであちこちツーリングしていたものだが、そのバイクも愛知県の健康ランドの駐車場で盗難に遭って、1年後に完全な族仕様のマシンとして発見された…20数年前のほろ苦い思い出だ。
…以来、高速道路とはほとんど縁のない人生だったが、ふと今年の帰省はクルマにしようと思い立ち、ETCカードを取得して今回こうして20数年ぶりに東名高速道路に乗ることになった。
一昨年の夏はホンダのビッグスクーターフュージョンでひたすら国道1号、2号を走って帰省したのだが、それよりはずっと快適だった。
何より信号がないのがいい。ひたすら走るだけだ。前へ前へ。
やがて心がシン、と静まりかえる。風景が左右に裂けて流れていく。
意識がシンプルになる。
路上において必要なのは、注意力だけだ。前後左右に注意する、ただそれだけのことがやがて快感をもたらすのだ。
20数年前には分からなかったが、今ではそれがよく分かる。
路上を走るということは人生に似ているのかも知れない。
人生という路上においても必要なのは、そうたくさんのことではないような、そんな気がする。
もちろんまだ断言はできない。
おれはまだ、その途上だからだ。
1,000kmの旅を追えて無事家族と合流したおれは今朝、妻の実家近くの河川公園の遊歩道を散歩していて、見つけた標識をじっと見つめている。