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ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

祝祭とは何か@川崎かなまら祭り

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去る4月7日の日曜日、知る人ぞ知る奇祭「かなまら祭り」を観に川崎まで行ってきた。

男根祭り

このかなまら祭り、一体どんな祭りかと言うとつまり男根祭りである。つまりちんこ祭りだ。

最初に掲げた写真にあるような神輿を担いで川崎大師駅周辺を練り歩くシュールなフェスティバルだ。

詳しい縁起はここを参照してもらいたい。

子孫繁栄・夫婦和合・性病快癒・安産・下半身の傷病治癒から始まって、果てはエイズ除け・不妊治療・性病快癒まで幅広いご利益があるとてもありがたい祭礼であることが理解いただけたことであろう。

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▲強風は残るものの前日の雨も上がり晴れ渡った青空の下、続々と観光客が集まってくる。外国人の姿が多い。

国際的カーニバル

そう。このかなまら祭りで目立つのはご神体の男根だけではない。それは訪れる外国人たちの数だ。

京急川崎駅から大師線に乗り換えた途端、車両には世界各国から集結したかのような外国人たちがすし詰め状態であった。彼らの後に続けば決して道に迷わずにかなまら祭りにたどり着ける。

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▲ちんこマスク(?)を装着した異国の青年。股間にはちんこ風船。手にはまんこ飴。(※)屋台で男性器、女性器をかたどった飴が売られている。残念ながらおれはあまりの人出のため屋台にたどり着けなかった。

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▲エリザベス神輿。担ぎ手はなぜか女装している。詳細は不明だがホンモノのニューハーフの方々なのだろうか。しかし「ホンモノのニューハーフ」というのもどこかおかしい気がするが、これもおれの偏見なのかもしれない…

まあそれはそれとしてこうしたある種異様なご神体が町を練り歩くのだ。

担ぎ手たちが「でっかいまーらー!」と声を掛ける。観客が「かーなーまーらー!」と応じる。世界各地から集結した外国人たちがハイテンションで奇声を発する。交通整理の警官の笛が鳴り響く。うら若い乙女たちがあちこちでちんこ飴をペロペロ舐める。おっさんたちがデジタル一眼レフでそれを撮りまくる。台風並みの強風もものともせず天空に向かって屹立するピンク色の男根に目を細めてとうの昔に過ぎ去った日々を懐かしむ爺さんたち。

日常と非日常の反転。この日だけは隠されていた存在が剥き出しになる。

異形の者たちが日陰を飛び出しメインストリートを闊歩する。

これこそまさに祝祭である。

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▲とにかくちんこ一色だ。

写真には収められなかったが、ちんこ笛なるものも売られていた。そしてなぜか少年たちが賽銭箱の脇で防具なしの実戦空手の組手を披露していた。バシバシと音を立ててお互いに蹴りを入れていた。確か極真空手だったと思う。

祝祭とは…豊かさとは…

再び大師線に乗り、川崎駅に戻りマクドナルドで一服したおれはさっきまで包まれていた昂揚感が跡形もなくなっていることに気づいた。あるのはゲームセンターの電子音。去勢されたようなJ-popの音楽。とりとめのない無駄話。クルマの騒音。担ぐ神輿もなく忙しそうに歩く人の群れ…近年、経済に翳りが見えつつあるが、確かにこの国はまだまだ豊かだ。だがそれは祝祭とは対極のもののように見えた。

祝祭が欠けている豊かさは寒々しい。ふと空手を披露していた少年たちのことを思い出す。彼らは皆、いい顔をしていた。

「寸止めの豊かさ」

そんな言葉が頭を過った。

この国は祝祭と引き換えに豊かさを獲得したのかもしれないなと、こみ上げてくる一抹の寂しさを呑み込んでおれは横浜に帰るのだった。

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