迷走する思考に秩序を
シンプルを目指せば目指すほど、日々の生活は複雑になっていく。
それが真実かどうかはさておき、少なくとも年を取るごとに物事は複雑に絡み合っていくかのように見える。
頭の中は手つかずの仕事、返信すべきメール、請求書、家族のこと、今日やるべきこと、明日やりたいこと、壊れたプリンタの始末、読みたい本、観たい映画、訪れたい土地、不吉なニュース、オイル交換、過去の後悔、未来の不安、錯綜する現在、その他諸々でカオスとなって渦巻いている。
そのカオスをどうにかしようと、どこかで見聞きした方法をあれこれ試しては義務と願望の見分けがつかなくなり、さらに混乱に拍車がかかる。
無数の思考の泡が生まれては弾けていく。
何か考えていたはずなのに気がつけば跡形もない。
そうして、結局のところ、最も初歩的なやり方に立ち戻る。
紙に書き出すということ。
思いつく限りをただ紙に書き出す。
実行できるとかできないとかに関わらず、ただ書き連ねる。
分類する必要もない。思いつくままに言葉を紙に定着させる。丸で囲む。色を変える。矢印を引く。何でもいい。どこからでもいい。
黄色い紙が文字で埋まる頃、徐々に何かが現れてくる。ひとつの像が姿を結ぶ。
レターパッドは混沌に形を与える印画紙に似ている。
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