ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

Today's incident

今朝も定刻通りに起床し、歩いて駅まで行った。ホームで鍵を忘れたことに気づいた。

まあいいかと思ったが、よく考えたら仕事場のロッカーの鍵もいっしょにしていたので、仕方ない。再び自宅まで取りに戻った。

鍵を持ってまた駅まで向かう。早足で歩いたせいで汗だくになる。

何とか遅刻せずに仕事場にたどり着き、ロッカールームに向かうおれにすでに出社していた仕事仲間が言う。

「今日はもう上がりだって」

え、なんですか?まだロッカーに鍵差し込んだだけなんですけど。

聞けば昨夜、「上の人たち」は徹夜で呑んだせいでみな二日酔いとなり、責任者に至ってはお休みなので、この際今日は帰ろうぜということになったらしい。

そ、そうですか。それじゃあ…ということでおれは、おれたちは着いたばかりの素敵な仕事場を後にした。

アバウトって素敵じゃん。

駅はまだこれから出勤する人々で混雑していた。

お勤めご苦労さんです。おれは心中で呟きながら帰りの電車に乗り込んだ。

いきなりの展開で特に何をすることも思いつかないまま自宅近くのコンビニに寄ったおれはちょうど切れていたポーションミルクと蕎麦を買うことにした。

レジ待ちの順番を待っていると、横から爺さんがごまドレッシングと中華ドレッシングの瓶を持ってレジに向かった。

店員が無表情に「あちらの列にお並び下さい」と爺さんに伝えると、爺さんは「あぁ」と呻き声とも返事とも取れないような声を発し、商品を元に戻し黙って出ていった。

店員に注意されて恥ずかしかったのか、注意されたことでプライドが傷ついたのかは分からないが、おそらく後者だと勝手に推測する。

前にも郵便局で似たような光景を見たことがある。

順番待ちのために設置された機械が吐き出すあのペラペラの受付票を取らずに窓口に駆け寄ったオバちゃんが局員に受付票を取ってからにして下さいと言われて激昂して出ていった。

たぶん、ある一定以上の年齢層の人々には順番を守るという概念が欠落しているのだろう。

彼らは人生のどこかで、生きるとは「早い者勝ち」という刷り込みがなされているようだ。

実際世の中はそのように動いていたのかもしれない。彼らにとっては早い者勝ちとは行動原理のひとつであった。

すでにそれは通用しないということを彼らは認めない。染み付いた行動原理はなかなか抜けない。

おそらく彼らのほとんどは反省することもないまま今生を終えるだろう。

そんなことを思いながらおれはさっき出たばかりの家に戻り、まだ温かいコタツのスイッチを入れ潜り込むのだった。

結論はない。