EarPodsの衝撃
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ごく最近のことだ。それは衝撃的だった。
前からiPhoneの付属品である「イヤーポッド」という名のイヤホンが多機能であるということはボンヤリとだが、思っていた。
思っていただけで正直なところ興味はなかった。
せいぜいiPodのON/OFFに使える程度だと思い込んでいた。
あ、あとカメラのシャッターが切れることは知っていた。(ほとんど使わないけど)
しかし通話ができるとは知らなかった。
不覚であった。
しかもそれを知ったのは偶然だった。
無知であった。
数日前のこと。iPodで音楽を聴きながら歩いていた時に電話がかかってきたので慌てていつも通りの方法で出ようとしてイヤーポッドにたまたま手が当たりそのまま通話できてしまった。
おれは驚きを隠しつつ相手と話し終えたがその時の内容はさっぱり覚えていない。
それよりもこのイヤホンでiPhoneに触れることなく、ポケットから取り出すこともなく通話できることにただただ感動したのだった。
これで突然の電話で慌ててポケットから取り出した結果、手を滑らせてiPhoneを落下させてひび割れた画面を見て呆然としつつ修理代の計算でめまいを起こす可能性もグッと低減した。
まあ、そんなおれのような人間のことを一部では情弱と呼ぶのだろうが、そんなことは問題ではない。
重要なのはおれが知ったことであり、誰かが知っていることではないということをおれは知っているからだ。
だからおれはあまり情報収集というようなことはやらない。
だから情報が集まらない。だから知らないことも多い。だから情弱となる。
ダメじゃん。
…いや、しかし知った時の感動は大きい。何より、必要な情報はやがて必ず入ってくる。とおれは信じたい。
ただ、もう少し自分のアンテナの感度を上げる努力はするべきだなと反省もしている。
そうした努力が足りないと本当に必要な情報の何倍も多くのノイズも拾ってしまうことになる。挙げ句の果てにはノイズの方こそ必要な情報なのだと思い込み道に迷い、踏み外し、ドブにハマることになる。そして人生を呪うことにもなりかねない。
そのような人は案外多いのではないだろうか。残念である。無念である。ご愁傷さまである。
そのようなことに陥らないためにもやはりノイズは極力避けたいものである。
ノイズと言えば、このEarPodの通話品質はかなりいい。
いつかBluetoothのイヤホンが欲しいと思っていたが、今のところEarPodで充分満足している。
ただ、おれにかかってくる電話のほとんどが家族からのもので、その内容も、 「食パン切れてるから買ってきて」とか「駅まで迎えに来てください」とか「今何してるの?早く帰ってきなさい」というようなものがメインであることに一抹の寂しさのようなものを感じないこともないが、こうしたことにこそ幸福はあるのだとおれは信じている。信じて止まない。
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