ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

彷徨える不沈空母

…だそうである。

▼しかし無効ではないという。

 判決は、1票の格差は「看過しえない程度に達しており、著しい不平等状態に至っていた」とし、違憲の一歩手前にとどまると判断した。一方で、最高裁が不平等状態を解消する必要があると明言したのは参院選の9カ月前だったなどと指摘。是正には相応の時間を要し、「国会の裁量権の限界を超えるものとはいえない」として、無効請求は退けた。<1票の格差>高松高裁「参院選は違憲状態」判決 無効棄却 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

つまりこれは、

まあねぇ、確かに違憲っちゃあ違憲だよね。かなり不平等なのも分かるよ。でもさ、そういうことおれらが指摘したのは選挙の9カ月前だよ、9カ月。言ったよね。でさ、解消するのはおれらじゃないってことは分かってる?国民だよ。その国民であるあんたらが9カ月も放置してこんなんなったんだからまあなんて言うか次回ヨロシク。夜露死苦www

ということなんだろうと思うが違うのだろうか。

しかし国の行方を定める舵取りの場である国会という操舵室の乗組員の資格の決め方が違憲である、ぶっちゃけモグリである、というようなある種漫才みたいな状態が長らく続くこの国がこれまでよく沈没しなかったということが奇蹟と言えば言えなくもないが、元々、自動操縦みたいなものだから誰でも構わないという見方もできなくはない。と、そこに、

それを言っちゃおしめえよ。こちとら民主主義の看板下げてんだ。べらぼうめ。

という幻聴が聴こえてくる。そして、

そうか。そうだった。民主主義だ。忘れてた。じゃあやっぱ1票の格差は是正すべきだ。

…という流れが今後次第に大きくなっていくのだろうという気はするもののその一方で民主主義の本格導入によってこれまで通用していたことがまったく通用しなくなることもあらゆる方面で出てくるのだろうとも思う。

現にそれが妥当かそうでないかは別にして、各方面の「特権・利権」を問題にする動きも増加している。

賛同できることもあればできないこともある。

いずれにせよ「もっと平等を!」という声は日増しに高まることだろう。そしてもしそれに反対すれば「売国奴!」とか「工作員め!」と叩かれたりする雰囲気も漂い始めている。

格差解消。特権廃止。そのためには民主主義の確立。というのが何となく考えられているような気がするが、今の流れはセーフティネットさえも平等化の弊害であるかのような風潮も感じられるがおれの勘違いだろうか。

と、ここまで書いておれはなぜこんなことを書いてるのかと思う。1票の格差について書いていたはずなのに民主化反対とも取られるようなことを書いている。

おれは民主化に反対なのだろうか。

そんなことはない、民主化はされた方がいいに決まっていると思う。

そう思うが、同時にその凄まじさというものも覚悟しないといけないのかもしれないという、何か薄っすらとした不安に似たような気持ちも正直なところなくはない。

俺は今、「1票の格差は是正すべきですね」というところでやめればよかったと少しだけ思っている。そして、民主主義という巨大なローラーが何もかも真っ平らにならしていく光景を幻視している。