大晦日
大晦日。朝から年賀状書き。
カミさんと娘はおせち料理作りに精を出す。
息子はゲーム。
午後になって、書き上がった年賀状を港郵便局まで投函に行く。
帰りに山下公園にしばし立ち寄る。
晴れ渡った山下公園は人々が思い思いの場所で海を眺めたり、記念写真を撮ったりしていた。
大道芸を囲む輪から時折、歓声が上がっていた。
もうすぐここで、除夜の鐘ならぬ、除夜の汽笛が新年と同時に一斉に鳴らされる。
横浜に住んでもう何十年も経つが、山下公園まで出向いて汽笛を聴いたことはない。
家から充分聴こえるし、何より寒いのでどうしても億劫な気持ちの方が優ってしまう。
せっかく近くに住んでいるのだから、いつかは港の夜景を眺めながら年を越してみたいものだと思ってはいるのだが、なかなか実行に移せないでいる。
と、そんなことをボンヤリ思っていると、赤飯に使う小豆を買って帰ってくれという電話があった。
山下公園の端っこのナチュラルローソンの裏の喫煙所を後にしたおれはバイクに跨り、近所のディスカウントストアで小豆を買って家路についた。
そして今、申し訳程度に掃除をして、さっさと風呂に入り、年越し蕎麦が出来上がるのを待っている。
毎年こんな風な地味な大晦日を過ごしているおれが決まって思い出すのは、金子光晴 - Wikipediaの『正月』だ。
小さな餅に 金柑がのっているだけの正月だが とほうもなくこころのあったかい正月だ。
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