Fool to cry
明日、と言うよりあと数時間で冬休みが終わるのにまだ宿題が終わっていない息子の姿を見ていると、「子は親の鏡」という古から伝わる金言があまりにも重くのしかかり、あまりにも残念な気持ちになる。
今こうしている間にも、気がつけば、漢字の宿題ではなく、何かの付録のカメラをいじっている。無念である。
さっきあれほど、言って聞かせたはずなのに、馬耳東風である。しかもかなりの風速のようだ。間違いなくハリケーン並みだ。
休みに入ったばかりの時は、「まだ時間があるから、後でやる」と言い、休みが終わりそうになれば、「時間が足りない」という。
愚かなことである…と、そこで、ふと思う。
時間とは何か。
よく考えたらおれは時間を見たことがない。目に見えないのに足りないとか余るとかどうしてそんなことが分かるのか。速いとか遅いとか一体何のことだ。われわれは時間というあるのかないのか分からないものにいつまで従っているのか。我らに自由を!
と、妄想から我に返ると、一向に宿題を終える気配のない息子が座布団を抱きかかえ放心していた。
そして、「世界一冷たいものってドライアイス?」と完膚なきまでに冬休みの宿題と関係のない質問をするのだった。
確かに、子は親の鏡なのかもしれない。