神秘への跳躍
最近、ゲシュタルト心理学に興味が出てきた。
出てきただけで、まだ何も知らないが、ちょっと勉強してみたい気がする。
ゲシュタルト心理学は精神分析との訣別によって生まれたというエピソードがますます好奇心をくすぐる。▼
創始者であるパールズは禅やヨガといったスピリチュアルな分野にも精通していたようだ。
おそらくパールズは何らかの神秘体験を得ているのだろうという気はする。
ゲシュタルト心理学はそんなパールズ自身の神秘体験を学術的に再構築したものではないか、とまだ1ページもゲシュタルト心理学関連の本を読んでいないのに、そう思う。
そうだとすれば、精神分析との訣別はフロイトに冷たくあしらわれたからなどというようなつまらない話ではなく、自身の神秘体験を説明するには、精神分析では不可能であるからだと思う。
精神分析の世界では、神秘体験は存在しない。
そこにあるのは分裂症や誇大妄想、神経症、神経衰弱といった風に、すべて「病」である。
つまり、パールズが精神分析と訣別するのは必然だった。
もちろんこれはおれの推測でしかないが、神秘体験抜きにして、ゲシュタルト心理学などという跳躍は起こるはずはないとも思っている。
そう。
ゲシュタルト心理学は精神分析からの跳躍である。
それは訣別ではない。パールズは精神分析の崖に立ち、跳躍する以外なかったのだ。
まだ読んでもいないのにそう思うおれは、すでにパールズのファンになってしまったようだ。
私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
出会えなくても、それもまた素晴らしいこと。
『ゲシュタルトの祈り』/フレデリック・パールズ
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