ROAD TO NIRVANA

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Geek's Leak Shake The World/『スノーデンファイル』レビュー

 

スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実

スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実

 

 レビュープラスさんより献本いただきました。

全世界のメール、SNS、通話は、米国NSAの監視下にあったースノーデンは衝撃の事実を次々と語った。米国政府の情報収集活動の実態を暴き、2014年のピュリッツァー賞に輝いた『ガーディアン』紙が描く舞台裏の攻防。

 内容は、上記引用したAmazonの商品説明の通りで、この手のノンフィクション物によくある語り口だ。

なぜノンフィクションと銘打たれた読み物はどれも似たような文体なのだろうか。

なぜ「ジャーナリスト」の書く文章は同じ匂いがするのだろうか。

そんなことを思いながら、読み進めていった。

その多くは、確かに「衝撃的」ではあるが、すでにネットによって、既知の事実である。どんなに衝撃的な事実であっても、ひとたび既知のものとなれば、人は慣れるものだ。あるいは、麻痺と言えばいいのか。

つまり、アメリカの国家安全保障局(NSA)、そしてイギリスの政府通信本部(GCHQ)は、世界中のあらゆる通信を傍受しているということだ。

「発言や行動のすべて、会って話をする人すべて、そして愛情や友情の表現すべてが記録される世界になど住みたくない。エドワード・スノーデン 

 だから、スノーデンは、そんな「世界」に、NO!と言った。

ならば、どんな「世界」ならいいのだろうか。

本書によると、こうある。

 スノーデンは合衆国憲法の信奉者であり、「ハクティビスト(政治的ハッカー)」のごたぶんに漏れず、共和党のなかでも右寄りとされるリバタリアンロン・ポール議員の支持者である。

 確かに、国家は個人に極力干渉すべきではないというリバタリアニズムの思想からすれば、スノーデンの取った行動は「筋が通っている」ように思われる。

と、すれば、スノーデンから見た合衆国憲法は、リバタリアニズムの理想形なのかもしれない。そして、その理想が日々、踏みにじられている様を見せつけられるうちにいても立ってもいられなくなり一連の、人生を賭けた、それも史上最大規模の内部告発に打って出たということなのだろうか。

告発の内容は、本書を読めば分かるので、ここでは触れることはしないし、先にも書いたように、それらはすでに「既知の事実」である。

それよりむしろおれは、リバタリアニズムリバタリアンという生き方に興味が出てきた。

☞ リバタリアニズム - Wikipedia

今まで、リバタリアンという言葉は何度か耳にして、分かったような気がしていたが、ウィキペディアの説明を見て、ほとんど知らなかったことを知った。

そして、「ノーラン・チャート」というものを知った。

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Original uploader was SilverStar at en.wikipedia - Transfered from en.wikipedia

CC-BY-2.5; GFDL-WITH-DISCLAIMERS; Released under the GNU Free Documentation License.

社会主義などの左翼思想は個人的自由は高いが経済的自由は低く、保守主義などの右翼思想は経済的自由は高いが個人的自由は低く、ポピュリズム(ここでは権威主義全体主義などを指す)では個人的自由も経済的自由も低い、という位置づけとなる。

 こうして「説明」されると、「そうか、リバタリアニズムってよさげじゃん」と思いそうだが、今の日本ではなかなか受け入れられそうもないとも思う。

 

で、何が言いたいのかと言うと、こうだ。

エドワード・スノーデンは、身を賭して「世界」に、NO!を突きつけた。

本書は、リバタリアン宣言の軌跡の記録である。

そして、それを支持するか、しないかと言っているのではない。

あなたは、どんな世界を望むのか、どんな宣言をするのかと問いかけているのだ。

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ちなみに、この『スノーデンファイル』 の映画化にオリバー・ストーンが乗り出すということらしい。?スノーデン元職員の機密暴露、内幕本2冊が映画化