ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

不定点観測 2014 ①ジャパニーズ・モータリゼーション考

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2435.5km

この夏の帰省旅行での総走行距離。ほぼ高速道路を走った距離だ。

8/9(土)

予約していたクルマを借りに行く。車種はマツダの5人乗りプレマシー。結構な年季が入っている。別に希望したわけではない。Gクラスを指定して、あてがわれただけだ。レンタル期間は、7泊168時間。

料金は、¥42,980(税込)。夏期料金も含まれてこの値段はかなり安いのではないかと思う。格安レンタカー革命!激安ニコニコレンタカー|12時間2525円より!!

自家用車を所有しないわが家は4年連続でレンタカーを利用して帰省している。

飛行機や新幹線と違って移動にかなり時間が取られるが、自由に動けるというのは捨てがたい魅力がある。

何より、田舎で公共交通機関だけに頼っていてはどこにも行けない。

かつてチャンドラーは、『タフでなければ生きてはいけない。優しくなければ生きる資格がない』という名言を残したが、地方で生活するために自家用車は、タフネスとテンダネスと同じか、それ以上に必要なものだ。

いくらタフで優しくてもクルマがなければ買い物も通院も通勤も思うようにできない。1時間に1本の路線バスを待っていてはコンビニにも、AEONにも、回転寿しにも、ファミレスにも、整形外科にもハローワークにも行けない。

地方生活において、クルマとはライフラインに他ならない。

カーシェアリングなどという言葉は、都会人の概念に過ぎない。

18歳を過ぎて、運転免許を持たない者は都市では珍しくないが、地方では半人前どころではない。4分の1人前だ。そうしたことが許されるのは子供と老人だけだ。

そうした見地から鑑みるに、都市こそ、老人が住むに適した場所なのではないかと思う。

思うが、現実は真逆だ。真逆だが、仕方ない。だからやはりクルマはライフラインとならざるを得ない。クルマに乗らないケルアックが想像できないのと同じだ。

いや、よく考えたらわが郷里にはあの山頭火がいた。

クルマを飛ばす山頭火など想像できない。もし山頭火がケルアックのように路上を疾走していたなら、

酔うて こうろぎと 寝ていたよ

などという句は生まれなかっただろう。

なぜなら飲酒運転で検挙されるからだ。

まあ山頭火が徒歩で全国を放浪しようがすまいが、おれはクルマの旅を選ぶ。

そういうわけで、おれたち家族は、長崎平和祈念日である8月9日の夜、郷里である山口県に向けて出発したのだった。折しも台風11号が西日本に接近しつつあった。

オン・ザ・ロード (河出文庫)

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