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ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

出口なし!/ヨコハマトリエンナーレ 2014 ④

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《法と星座・Turn Coat / Turn Court》

そういうわけで、今回もヨコハマトリエンナーレ 2014の印象あれこれ。

上の写真は、第5話 『非人称の漂流』の作品である背中合わせになった『テニスコートと法廷』をテニスコート側から撮った写真。

コートの中央に張られたネットをはさみ向きあう選手と、それを見守る審判。この登場人物が、被告と原告と裁判官へと置きかわり、やがて法廷は監獄への道を準備する。

要は、テニスコート(tennis court)と、法廷(court of law)を掛けたダジャレのようなものだと思うが、もちろん、「電話に誰も出んわー」とか「布団が吹っ飛んだ」などといったものとは訳が違う…はずだ。

ちなみに、今はなき桜木町のガード下に「ネコが寝込んだ。さあ大変」というダジャレがネコのイラストと共に描かれていたが、それとも訳が違う…はずだ。

だからおれは、英和辞典・和英辞典 - Weblio辞書で「court」を検索してみた。

で、ザッと見てみるとその語源は、ラテン語の「囲い地、集団」から来ているという。

他にも色々あるが、「路地」「袋小路」という意味もあるしい。

動詞で使われる場合は、「追蹤する」とか「おべっか」とか「口説く」とかいうのもあってなかなか興味深い。

「人の支持、承認を求める」というのは、何となくイメージできる。裁判の本質はそんなところにありそうだし。

で、まあ鮮やかな赤と緑の囲い地を出た後は、牢屋に入る、あるいは入れられることになる。

役に立たない椅子が宙に浮いている。

メビウスの輪を象ったオブジェがそんな「出口なし」のシチュエーションを電飾する。

そしておれたちはわざわざエレベーターにまで乗り込み、ブロックとコンクリートの密室を拝みに行く。

スクエアな汚水溜まりを10秒ほど見つめたおれたちは、「出口なし」というおれたちが置かれている情況をまざまざと確認させられるのだ。

そこから出るとき、おれたちは「おれたち」ではなく、「非人称のまなざし」となっている。

そして、新港ピアへと漂流するのだ。


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《大ガラス・吉村益信

ヨコハマトリエンナーレ2014