夢に日付は要らない/私の手帳術
気がつけば書店や文具店に来年の手帳が並んでいる。
去年までは、「今年はどんな手帳を使おうか」とソワソワしていたが、今ではそんな気持ちもあまり起こらない。売り場で様々な手帳を手に取り、パラパラとめくっていると、少しは心が躍るような感じは多少残っているものの、それはどちらかと言えばノスタルジックな領域の感情に似ている。
1年前までは、けっこうな時間をかけてその年に使う手帳を自分なりに吟味していたが、今使っているモレスキンが今年中に終わらないのと、そのモレスキンの使い方が自分に合っているような気がするという理由で、年末の手帳選びという「イベント」に乗っかる気があまりしない。ちなみに使っているモレスキンはラージサイズの方眼タイプ。
Moleskine Squared Notebook Large
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- 出版社/メーカー: Moleskine
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これも、自分なりの「定番」を見つけたということで喜ばしいことなのだろうが、一抹の寂しさもないこともない。
まあだからと言って、毎年毎年同じようなことで悩むのも飽きてしまった。
それでも、何度か使ったことのあるほぼ日手帳に戻ろうかという気もチラッと頭をかすめたが、日付がついているというのが、個人的にネックとなって、見送ることにした。トモエリバーというあの紙質は気に入っているので残念と言えば、残念だが。
日付がついているというのが「最低限の売り」の手帳だというのに、それが個人的というか資質的に向いていないということにやっと気づいたのが去年の末だった。いつからかだんだん自分の思考を1日の枠に収めることに苦痛と言えば大袈裟だが、違和感のようなものを覚えるようになっていた。
そうは言っても、やはり日付が必要な予定も少ないながらもあるにはある。カレンダーはあった方がいい。
そういうわけで、今年はネットにアップされているカレンダーをプリントしてそれをモレスキンに貼り付けたり、手書きで書き込んだりしている。
日付は、SHINY Mini Dater というスタンプを使っている。
【Shiny/シャイニー】Mini Dater/ミニ・データー S-300
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それも、2014年で最後なので、買い換えようと思っているが、手書きで済ませることになるかもしれない。
ついでに、手帳術というほどではないが、現在の使い方は以下の通り▼
- 毎月始めの左ページに、手書きでその月の日付と曜日を記入。(あるいは、プリントしたカレンダーを貼り付ける)確定している予定はここに書く。
- 右ページには、その月のうちにやるべきこと、やりたいこと、やった方がよさそうなことといったことを羅列する。終わったら、線を引いて消す。やり残した「タスク」は次の月に再度書き写す。それを繰り返す。そうすることで、「自然に」消化されるだろうという算段だが、何ヶ月も書き写すだけの「タスク」も数多い。全然手をつけていないタスクも多くて、気が滅入ることもあるが、これはおれがタスクよりラスクが好きなことに起因しているのかもしれない。
- それ以降のページは、前述の日付スタンプを押して、日記や調べもの、あるいは考え事を記録する。書いたり書かなかったりするので、日付はたびたび飛んでいる。実際は、詳しい日記はあまり書かない。なぜなら1日の終わりにはほとんど忘れているからだ。なので、日記はほとんどエバーノートの連携アプリであるFast Everにその都度書いている。
と、こんな感じで何とか10月までやってきた。今のところ不都合なことはないが、これは別にこの「手帳術」が優れているわけではなく、「方法・メソッド」といったことにだんだん興味がなくなってきたからかもしれない。ネットで検索すると、手帳や手帳術に情熱を傾ける多くの記事を見ることができるが、自分でもやろうとはあまり思わなくなってしまった。
色んな手帳術の指南書も出版されているが、要するに、実務的にはPDCAサイクル - Wikipediaが押さえられていれば事足りるし、「夢」に日付を書いて自分(あるいは他人)を追い込むより、「夢」が叶うまで何度でも書き写す方がいいのではないかという気がする。
世界的な研究者や偉大な文学者が自分の取り組むテーマに日付をつけて成果をものしたという話は聞いたことがない。彼等は成果が出るまでそれをやるのだ。主役はあくまでもテーマであって、日付ではない。
そもそも「日付」とは他者との調整のためのもので、自分の夢や希望、願望、ビジョンとはほとんど関係がないということだ。
そういうわけで、来年の手帳選びに迷っているなら、いっそのこと日付のないタイプを使ってみてはいかがでしょうか。
夢に日付は要りません。