ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

曇天2015

年が明けた横浜の空はどんよりと曇り時折雪がちらついた。あまり正月という気がしない。それならどんな正月なら正月らしいのかと言われて考えてみれば、やはり子供時代の記憶にある正月だ。そういう意味ではすでに子供ではなくなって久しいわけだから自分の中に刷り込まれた「正月」という概念が適当なものではなくなったということだろう。そう考えると、「正月らしくない正月」という印象は至極順当なのだろう。それなら大人にとってはどんな正月ならいいのかという疑問もなくはないが、おれの関心は残念ながらそっちには向かうことはない。勝手にすればいい。そう思いつつ、もう子供ではなくなって数十年過ぎたというのにまだどこかに「正月らしい正月」があるとうっかり思ってしまう。刷り込み、条件付けというのはなかなか手強いものだ。にもかかわらず自分の子供には「お正月」っぽい雰囲気を味あわせてやりたいと思いもする。まあ僅かながらのお年玉と初詣に連れていくぐらいだが。あとは三が日くらいは、やれ勉強しろだの、風呂入れだの口うるさくせず好きにやらせている程度だ。しかしそうやって放置していると、気がつけば子供らはゲームかスマホをいじって惚けている始末だ。これではいけない。このままでは正月とはのんべんだらりと何も考えず食って寝て無意味に長いテレビ特番を見てへらへらと笑うことであるという刷り込みがなされてしまう。そのようにして成長しても大人にはなれない。図体がでかくなるだけだ。ここはひとつ正月とは何かということを親として、父としてはきっちり示してやらねばならない。そこでおれは10LDKの各部屋に散らばる家族に召集をかけ、これから正月の行事を行うことを宣言した。

「これからお絵描きバトルを開始する」

家族4人がそれぞれ思いついた題材を記憶のみを頼りに描く。

そしてわれわれ家族は厳かに正月の行事を執り行う運びとなった。

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▲見れば分かると思うが、今年の干支の羊である。息子画。

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ドラえもん。これは一目瞭然であろう。

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▲豚。

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▲JK。女子高生だ。すぐに分かるはずだ。

こうして家族の絆を再確認してわが家の正月の行事第1弾は終了した。

2015年となった今、「らしい」とか「らしくない」とかすでに無効である。

2015年となった今、誰かが決めた「相応さ」に適合することに躍起になったり、不足を嘆く時代は終わった。

自力で楽しむ時代が始まった。