元旦リアリティ
そういうわけで今年も家族揃って初詣に行ってきた。ここ数年はみなとみらいにほど近い伊勢山皇大神宮に詣でていたのだが、今回は、北方皇大神宮に参拝してきた。
▲見ての通りこじんまりとした神社だが、天平年間(1110〜1112)に創立されたらしい、とある。およそ900年前だ。言うのは簡単だが、まったく想像もつかないくらい昔のことだ。インターネットもiPhoneもアメリカ合衆国も存在しなかった時代だ。
だからどうしたというような話だが、ただそう思ったから書いただけで特に深い意味はない。
伝統や歴史を軽んじるつもりはないが、ことさらそれを重要視することでもないと思っている。
それでもなぜか初詣には欠かさず行って、新しい神宮大麻を貰って帰る。
今年はそれに加え、無料配布されていた冒頭の写真にもあるように『教育勅語十二の教え』という月めくり形式の小冊子も持ち帰った。
- 孝行
- 友愛
- 夫婦の和
- 朋友の信
- 謙遜
- 博愛
- 修学習業
- 智能啓発
- 特器成就
- 公益世務
- 遵法
- 義勇
この「十二の教え」に異議があるわけではないが、こうした小冊子を目にしたのは初めてだったので書き記すことにした。こうした動きは全国的なものなのだろうか。
ちなみに各月の裏ページには、それぞれの教えの「解説のような文章」があるのだが、その出典はすべて神道政治連盟の『こころの豊かさを求めて』よりとある。
おれはふと、捕まる前の福永法源主宰の「法の華」のことを思い出した。
20年近く前にことだろうか、あてもなく秋田市をブラブラしていると路上で福永法源の本を配っていたので受け取ってホテルで読んだ。詳細はまるで覚えていないが確か足裏診断の話だったと思う。色々と足裏の相について書いてあった気がするが、要するに「気になる人は法の華へご連絡を」というような内容だった。今ではよく見る「くわしくはWebで!」みたいなものだ。その本はホテルに置いて帰った。旅の荷物は少ない方がいい。どうでもいいが、そのとき泊まったホテルは、秋田なのに「ハワイ」という名前だった。それで、今検索してみたら、2009年に廃業したことを知った。法の華もすでに崩壊した。諸行無常である。 秋田の老舗ビジネスホテル「ホテルハワイ」全3店が営業停止に | 秋田経済新聞
「無料配布」というだけで、秋田での記憶が2015年の正月に蘇ってきたわけだが、おれは自分のこの「唐突さ」というか「脈絡のなさ」が嫌いではない。
それを無理やり理路整然とした「脈絡」の中に塗り込むような酔狂な真似はしたくないと思っている。
ある出来事があって、それまで掠めもしなかった過去の何かを唐突に思い出す。そこには何かしら「意味」がある。
あらゆる啓示はいつも唐突で、脈絡(リアリティ)を超えている。
これが今回の初詣でおれが授かった2015年のメッセージなのかもしれないと思いついたのは、初詣から数時間後、帰宅して新しい神宮大麻を飾り、余った年越し蕎麦を食べ終わった頃だった。