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ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

Thank than hack.

人生はゲームだという。そしてそのゲームは二つのステージで構成されていて、第1ステージは我を忘れることが目的だが、第2ステージでは一転して我に帰ることから始まるのだという。

そんな本を読んだ。

「ザ・マネーゲーム」から脱出する法

「ザ・マネーゲーム」から脱出する法

要するに、われわれはマネーゲームに代表される勝ち負けの世界だけに生きているのではない。本当の人生はその次のステージにあるのだ。しかしそのステージに移動するためには、著者が「プロセス」と呼ぶちょっとしたコツがある。本書でそのコツを紹介します、というような内容だ。

「人間ゲーム」の第1段階では、「本来の自分」がすべての力と創造性と巧妙さを総動員して、あなたが本当はどんな人間で、あなたの自然な状態がどんなものかを隠し、決して見つけられないようにしてしまいます。「制限された自分」と三次元の競技場が現実のものだと信じ込ませ、どんどん制約を厳しくして、自分が本来とは正反対の存在てあると思わせるためにあらゆる手段が講じられます。/p.39

われわれが「通常」生きている人生とは上に引用した段階である。涙あり笑いあり。リストラあり。目も眩む愛憎のマーブル模様。悲喜交々。素晴らしきかな人生。

しかしそれだけではない。人生には「次のステージ」がある。

第1段階で、あなたが自分自身の本来の姿を忘れ、制限され、制約の多い経験に没頭するようになると、「本来の自分」はあなたを第2段階に誘います。この時点で、あなたは自分には何かが足りない、何もかもが意味を持たない、自分の知らないところで何かが起きているのかもしれないと感じ、自分が不完全な人間だと思うようになります。そして、答えを見つけよう、人生におけるより高い目標を見つけようとします。こととき、あなたはまだ自分の真実の姿や、自分に本来備わっている力や知恵、豊かさに気づいてはいませんが、それでも「真実」を探し始めます。すると「本来の自分」は役割を変え、あなたを「世紀の宝探し」に連れ出して、第1段階で隠した力や知恵、豊かさを取り戻す手助けをするのです。ひとたび力と知恵と豊かさを取り戻せば、あなたは何の制約も制限も受けずに「人間ゲーム」に参加できるようになります。/p.40

かなり端折って言えば、われわれは、この「風変わりなゲーム」の半分までしか参加していない。本会員ではなく、限定付きの無料会員のようなものだ。

いや別に自分は限定付きの無料会員で充分だ、そもそも人生は山あり谷ありだ、重き荷物を背負うて進むのだ、やがて素敵な朝が来るはずだという人は引き続き第1段階でのゲームを楽しめばいい。

しかしながら、と著者は言う。

マネーゲーム」(第1段階での人生ゲーム)に勝者はいない。(なぜなら)「マネーゲーム」は完全なる失敗を作り出すために設計されたものである。/p.25

第1段階にとどまる限り、われわれの背負う荷物は確実に重くなっていき、夜の闇は濃くなっていく。無理して浮かべた笑顔は泣き顔と見分けがつかない。食いしばる奥歯はすり切れて抜け落ちるのを待つばかり。祭りの後の夜店の風船のように気力は徐々に抜けていく。そしてわれわれは誰に言うともなく掠れた声で呟くのだ。

「本会員になればよかった!」

「本会員になる」とは、つまり第2段階に進むことに他ならない。別に課金されるわけではない。

それではどうすればいいのかと問いかけるより早く著者は教えてくれる。無料会員のわれわれに。惜しげもなく。シェアしてくれる。しかも4つも。丁寧な解説付きで。

ここでその4つの道具を紹介するのは簡単だが、個人的には面倒なので割愛したい。ただ、それらの「道具」に共通するのは極めて平凡な言葉に集約されるということだけは記しておきたい。

その言葉とは、「感謝」である。

得ることばかりを願い、失うことを怖れるわれわれに決定的に欠けているものは「感謝するということ」である。本書は実はそのことだけを伝えている。

そんな一見簡単でありきたりなこの「感謝」を表現することを真に実践しようとした途端にまるでわれわれの覚悟を試すかのように次から次へと不快な出来事や不安な状態が起こることになるだろう。

しかし、心配することはない。

感謝すればいいだけだ。

それが混迷する現代をサバイブするための切り札なのかもしれないと、考え始めているほどにはおれは「マネーゲーム」に飽きている。

Mind Games

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