ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

誰もいない海/Wave Ⅱ Threshold #1 フォーカス12入門


photo credit: Frank Munari via photopin cc

快晴の休日の朝、雨戸を締め切って、iPhoneにインストールしているゲートウェイ・エクスペリエンスのWave Ⅱを聴く。

おれのiPhoneは、庶民向け16GBなので、他のメモリを圧迫させないためにも、Waveごとに入れ替える作業が発生する。

iPhone6に替えるときは、64GB、せめて32GBにしたいものだ。

▶︎アップル、次期iPhone6のモックアップの動画が公開 - iPhone Mania

iTunesに入れる際は、Appleロスレスエンコードという形式にした。

詳しいことは、まったく分からないが、ロスレスエンコードにすると、ヘミシンク音が劣化しない。

と、山川健一氏の本に書いてあった。▼

リアルファンタジア 2012年以降の世界

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暗い部屋で、イヤーポッドを耳に押し込み、iTunesを開き、Wave Ⅱの「フォーカス12入門」を聴く。

波の音と共に男性の声でガイダンスが流れる。

例によって、

「エネルギー変換ボックス、レゾナント・チューニング、リーボール、アファメーションをしましょう。それでは、フォーカス10でお会いしましょう」

と、クールに放置される。後に残るのは波の音だけ。

まだ大して聴き込んでいないが、「早過ぎたゆとり世代のおれとしては、こうした放置プレイはできればやめて欲しい。

だが、そうした抗議は通用しない。なぜなら、クールマンの声は録音だからだ。

そんなクールな世界でおれは戸惑いつつ、エネルギー変換ボックスのイメージを試みる。

先人たちのブログを見ると、多種多様、千差万別の箱をイメージしているようだが、結構難しい。

海賊の宝箱のようなものをイメージしようとしても、娘が幼稚園に上がる前のプリキュアとかのプラスチックのおもちゃしか浮かばない。


さすがに大人の男の不安や悩みを入れるのに、プリキュアはないだろう、とおれは少しだけ、Muddy Waters - Mannish Boy - YouTubeを思い出す。

工場などで見かける鉄のゴミ箱も試したが、蓋が重くて開閉に手間取るのでやめた。

あくまでもイメージだが。

そこで、今回思いついたのが、海水浴のときに使うクーラーボックスだ。

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) シエロ クーラーボックス14L グリーン M-8129

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) シエロ クーラーボックス14L グリーン M-8129


そもそも、ずっと波の音が聴こえるということは、浜辺にいるに違いない。なぜ、今まで気づかなかったのだろうか。

そう。おれは浜辺にいたのだ。「誰もいない海。二人の愛を確かめたくて」と往年のヒット曲が頭を過る。17才 南沙織&森高千里 - YouTube

ちなみに、この『17才』の舞台である「誰もいない海」とは、おれの郷里の海らしい。▼

作詞者の有馬三恵子によると、歌詞の冒頭に出てくる「誰もいない海」の舞台は、山口県防府市・瀬戸内海の富海。17才 (南沙織の曲) - Wikipedia

確かに、誰もいない海である。夏に帰省した折に、子供たちを連れていく。

8月の真っ盛りでも、ガラガラである。何年か前に行ったときなど、おれたち家族とその他10人くらいしかいなかった。

すぐそばまで、車で行ける。もちろん駐車代など要らない。水着で行って、水着で帰る。

コパトーンの香りなどしない。油脂も浮いていない。たまに、河豚の稚魚も見つけることができる。

そんな誰もいない海で、おれはクーラーボックスの中に、不安や悩み、恐れをしまい込んで、ロックする。

ただ、根がおめでたい性格なので、具体的な不安や悩みと言われても特に思いつかないおれは、「不安」「悩み」「恐怖」という言葉を入れている。

パチン、とクーラーボックスを閉めたおれはすぐにでも海に飛び込みたいが、まだやることがある。

レゾナント・チューニングだ。

これは、ヘミシンク音と自分を共鳴させるために行う呼吸法だ。しかし、聴こえないヘミシンク音にどうやって共鳴させるのか、どうやって共鳴していると分かるのかが分からないが、そんな疑問もクーラーボックスに入れることにする。

よく分からないおれは、よく分からないまま、要するに、準備体操だと思うことにする。

子供の頃に教えられた、「海にいきなり飛び込むな。そんなことしたら、心臓マヒを起こすぞ」というのと似たようなものだろう。

そして、今やっと気づく。

ゲートウェイ・エクスペリエンスは、海のイメージなのだと。

だから、「Wave」なのだ。迂闊だった。

我々は一滴の雫で、やがては大海に還るのだというのは、スピリチュアルの世界ではよく言われることだ。

それまで、勝手に宇宙のイメージを抱いていたが、個人的には海に入るイメージの方が馴染みやすい。誰もいない海。

そんなこんなで、おれはようやくフォーカス12の海に浮かぶ。

ほどなく、メディテーションで慣れ親しんだ感覚に包まれる。

笑顔が勝手に浮かんでくる。

おれは笑顔のまま、ガイドを待つ。

…誰も来ない。

待ちながら、ふと思う。

もしかして、おれはフォーカス12の海はすでに当たり前の意識状態なのだろうか。

フォーカス10のとき、一瞬だけいくつもの緑色の雲が渦巻いているビジョンを見たが、そのときは結局、クリックアウトしてしまった。


結局、ガイドも妖精も守護霊も来ないまま、あのクールマンの声がして、セッションが終了した。

雨戸を開け、洗濯物を干しながらおれが口ずさんだのは言うまでもなく、「17才」だった。

誰もいない海
二人の愛を 確かめたくて
あなたの腕を すりぬけてみたの
走る水辺のまぶしさ
息も出来ないくらい
早く 強くつかまえに来て

好きなんだもの
私は今 生きている

『17才』
作詞:有馬三恵子
作曲:筒美京平