What I got in TOEIC TEST (第1話)
12年ぶりにTOEIC TEST(L&R)を受けてきた。
特段の理由はない。
気が向いたときに英語学習をすることがあるが、英語の荒野はあまりにも茫漠としているので何か道標のようなものがあった方がいいのかもしれないと思い、今回受検してみることにした。
放浪の途中に立ち寄るモーテル的な感じ。
もちろん、自分の英語などネイティヴの三歳児レベルだということはわかっている。
12年前、まったく勉強せずに受けたテストでは、425点だった。
そのときは、「お、こんなので425点も取れるのか。意外に大したことないな。じゃあちょっと勉強すれば900点なんかすぐ取れそうだな」などと根拠のないポジティブ・シンキングで意気揚々となり、それ以来TOEICのことなど綺麗さっぱり忘れ、干支が丸々一周してしまった。
そして干支が一回りする間にどれだけの時間をかけて英語学習をしたのかと言うと、ほぼ皆無。Almost nothing.
それではいけないということで、今回はちゃんと勉強しようと思い、公式問題集を買ってみた。
- 作者: Educational Testing Service
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そして絶望した。
リスニング用のCDをiTunesに入れて、聴いてみたところまったく聞き取れない。
しかも我が身のボキャブラリーの圧倒的貧困に直面した。英語で言えば、needy…て言うの?
だが、ここで挫けては無意味だ。やるしかない。
公式問題集を開く。なるほど、まずはサンプル問題か。写真を見るんだね、そう言えば昔やったような気がするが、簡単簡単。
2時間かかった。
一問一問音声と解説の文章とを照らし合わせて、単語の意味を調べて、文法を確認していると時間なんてあっという間に過ぎていく。
おれは12年間何をしていたのかと思う。
思いながらも、日々の雑事に追われ、また英語から離れる。
そしてまた思い出したように問題集を開き、会話の音声を聴く。
どうでもいいことを話してるなと思う。まさか彼らは普段こんなどうでもいい話をしているのかと思う。
しかし、よく考えたら日本人も似たようなものだ。実のある話など滅多に耳にしない。
くだらない話は万国共通だ。人間だもの。
…などといくら日本語で言っても、英語学習の世界では所詮負け犬の遠吠え。単なる楽屋落ちに過ぎない。
自分は三歳児レベルだということを忘れてはいけない。三歳児が学ぶように学ぶのだ。
そういうわけで、来る日も来る日もおれは仕事の行き帰りにiTunesでリスニングを続けた。
そのうち、話者が何を言っているのかが朧げながら分かってきた。あくまでも朧げだが。
そうなると、またあの根拠なきポジティブ・シンキングがむくむくと頭をもたげてきて、「まあ800点はいけるな」と妄想するのだった。ボキャブラリーさえあればの話だが。
でも、ボキャブラリーを増やすと言ってもどうすればいいのか。そう考えたおれは公式問題集をやれば済む話だという結論に達した。その中で知らない単語が出たら、その都度調べて覚えればいいじゃないか。
そのために必要なものは、やはりラインマーカーだ。だからおれは近所のAEONでピンクと青のラインマーカーを買ってきた。
【本日のTOEIC対策】辞書や問題集に使うためのラインマーカーを2本買った。以上。
— go-nirvana (@igomild) 2016年8月21日
そして、サンプル問題はラインマーカーで染まった。その都度立ち止まり意味を調べる。コロケーションという用語を生まれて初めて知ったりもした。
コロケーションって可愛い響きだなと思ったりするうちにやはり文法も学ぼうと思うようになった。
- 作者: 綿貫陽,マーク・ピーターセン
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確か、村上春樹氏が一冊だけ無人島に持って行くとしたらこの本だとどこかで見た記憶があるが、読んでみると実に面白い。
しかし途中でふとTOEICのことを思い出したおれは、「これはあまりに面白過ぎるのでTOEICが終わってからじっくり読もう」と思い、本を閉じた。そして今も閉じたままだ。
再び公式問題集に戻る。ラインマーカーを引く。iTunesを聴く。依然としてサンプル問題をやっている。
そんな中、図書館で『英語で言うとはこういうこと』(片岡義男著)を借りてきた。
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これがまた面白い。目から日本語のウロコがハラハラと落ちていく。まるで良質のスピリチュアルなガイドブックを読んでいるようだ。片岡義男氏にこそ是非英文法の本を書いてもらいたいものだ。
と、敬服しているうちに試験前日となった。サンプル問題しか終わってないのに。
しかし、まだ一日ある。この一日で問題集を全部頭に叩き込めば何とかなる。
そんな都合のいい思い込みをしたおれに一本の電話がかかった。
「ソフトバンクです。予約されたiPhone7plus 128GBのブラックが入荷しました」
どうしようか一瞬だけ迷ったおれは、夕方まで勉強して、それから機種変に行こうと思い、なぜかそのまま昼寝をしてしまい、起きたら夕方だった。
やはり新しいiPhoneはいいですね。
Amazonプライムで当日注文して届いたケースと、今回初めて使う保護ガラスを装着して満足したおれはあろうことかそのまま寝てしまうのだった。(続く)