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ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

あらゆる侮りはあなたを滅ぼすだろう/『免疫力をあなどるな!』レビュー

 

免疫力をあなどるな!

免疫力をあなどるな!

 

 レビュープラスさんより献本。

極論を言えば、『免疫力をあなどるな!』というタイトルで、すべてを言い尽くしている感がある。だからといって、「みなさん、免疫力をあなどらないようにしましょう!」で済ませればレビューの意味が限りなく透明になってしまう。限りなく透明に近いレビュー」だ。まあこれはちょっと書いてみたくなっただけだが。

しかし、これは果たして「健康法」なのだろうかとは思う。どちらかと言えば、啓蒙書の類いではないかという気がする。で、啓蒙とは何かとgoo辞書で検索してみると、

[名](スル)《「啓」はひらく、「蒙」はくらいの意》人々に正しい知識を与え、合理的な考え方をするように教え導くこと。「大衆を―する」「―書」

とある。 

そう。本書は免疫力に疎い我々大衆の無知を「正しい」知識によって教え導くための書であると言えよう。たぶん。おそらく。凡そ。

しかし何度読み直しても、免疫力をあなどるな!という言葉しかおれの頭に浸透してこない。それはなぜかと考えるに、そもそもおれは免疫力をあなどったことがないからだということに思い当たった。特に医学的知識もないが、健康体を維持するために必要なものは免疫力であると常々思っている。だから、「ですね!」と答えるばかりである。大体のところ。

もちろんいくつかの「専門用語」は本書で初めて知ったものも多いが、大体は普通の言葉で説明されている。まあそれが啓蒙書たる「所以」のひとつではあるが。

ところで、全然話が変わるが、「ゆえん」とは「所以」と書くのだと今知った。なぜなら、これまでそんな言葉を書く機会がなかったからだ。それにしても漢字の自動変換は勉強になりますね。

というように、知っているつもりがふとしたことで知らなかったことを知らされることがある。あるいは、本書はそれに似ているかもしれない。

その中で、おれが本書を読んで、勝手に学んだことをいくつかランダムにピックアップしてみるとこんな感じだ。▼

  • 樹状細胞と呼ばれる細胞が免疫を司っている。p.7…免疫とは健康という言語における文法である。文法は秩序である。よって、免疫は秩序である。
  • 味噌汁は一日一杯飲むべし。p.26
  • 「優秀な働きマンほど病気になる可能性があります」p.21…自分の体調よりも会社や組織の方を優先すると免疫力が衰えるということだろう。ただ、こうした本末転倒の状況はまだまだ「美徳」とされているようだ。日本人の癌の罹患率が多いのは「滅私奉公」に起因するのかもしれない。そういう意味では、長時間勤務や残業代不払い等のブラック企業問題が話題に上がるということは、結果として免疫力の向上に貢献するのかもしれない。するはずだ。
  • 「一日一回と二回では、歯磨きの効果は段違い」p.70…知り合いで歯磨きという概念を持たない人間がいたのを思い出した。かつて、「お前、最後に歯磨きしたのいつ?」と訊いたら、笑顔で「ノーコメント」と言われて震撼したものだ。ちなみに彼は鏡を見る習慣もない。ラーメン屋で隣に座っただけで女子高生に「キモっ!」と呟かれたこともあるらしい。いつも穴の空いた靴下を履いていた。穴はどんどん拡大し、靴下というよりレッグウォーマー化寸前であった。でも根は優しいやつであった。今頃何をしているのだろう。きっと歯磨きはしていないと思う。 歯磨きで思い出したが、『マツコの知らない世界』で歯ブラシの世界編をYoutubeで観た。 次に使う歯ブラシは、ケントにしたいと考えている。結果として免疫力向上につながるであろう。 

     

     

  • 「清潔すぎる人はボロボロの身体になる」p.33…前述した彼の話といささか矛盾するようだが、あくまでも彼は不潔すぎるだけなので、論外としたい。それよりも、「清潔」を「正論」と読み替えるとなかなか興味深いことになる。例えて言えば、「これは正しい」「こうすべきだ」という考えに固執しすぎるとやがて魂がボロボロになるのと同じである。 

 清潔好きな人は「菌=悪いもの」と考えがちですが、それは大きなまちがいです。p.35

すべての菌を「汚い」「不潔」と排除しようとするのではなく、少しおおらかな気持ちで菌と共存してみることが最高の健康状態を維持するためには必要なのです。p.36

これを次のように言い換えると分かりやすい。▼

正論好きな人は「異論=悪いもの」と考えがちですが、それは大きなまちがいです。

すべての異論、異なる価値観を「誤り」「不適切」と排除しようとするのではなく、少しおおらかな気持ちで様々な考え方、価値観と共存してみることが最高の状態を維持するためは必要なのです。

 こうして見ると、多様性を許さない内外の政治状況より、本書で語られている免疫研究の方がかなり先を行っていることが分かる、はずだ。その伝でいけば、ヘイトスピーチなどは、免疫の過剰反応である「サイトカインストーム」と言えなくもない。いずれにせよ、そうした行いはやがて自らをボロボロにするだろう。

  • 「つまり、私たち自身が120%楽しくなるということこそが、健康への近道だということです。」p.188…そして、最終的に免疫医療はスピリチュアル・ゾーンへと到達する。

…と、こうして思いつくままにいくつかを取り上げてみたが、きりがないので、このあたりにしたいと思う。結論は特に思いつかないが、個人的には「神のサインは思いもよらない形で示されている」ということを再確認させてくれた一冊であった。

免疫力をあなどるな!

免疫力をあなどるな!