長州往還⑥ Digression of journey
夏休み最終日だというのにまだ自由研究に手をつけていない不自由な息子が逃亡しないように見張っているが、一向に始めようとしない。自分の子供時代を見ているようで複雑な気分がする。
昨日、何とか完成したと本人が主張する読書感想文に至っては、2時間かけて2文字という驚異的な遅筆ぶりを発揮していた。
したがってつい先ほどようやく決めたペットボトルの工作もいつできるのかわからない。だが、本人はやることを決めただけなのにやきもきする周囲のことなど顧みることなく、すでにリラックスモードに入っている。自分の子供時代を見ているようで複雑な気分がする。
しかしいつまでも複雑な気分になっていても仕方がないので、ひとまず息子のことは忘れて今回の帰省時に撮った写真を貼り付けて、そのときのことを振り返ることで『長州往還』の締め括りとしたい。
で、冒頭の写真は豊橋市の国道沿いのラーメン屋『横綱』で食べたラーメン。『長州往還』と言いながら、いきなり愛知県での写真だが、気にしないでいただきたい。少なくともおれは気にしない。
味の方はと言えば、細麺仕立ての横浜家系ラーメンという感じだと思うが、ラーメン通ではないおれの言うことはあまりあてにならない。まあ普通においしかったです。
横浜から西宮までずっと運転してきたにも関わらず、SAでカツカレーを頼んだらカミさんに「なんでそんな高いもの頼んでんの‼︎」と叱責される朝。680円。
— go-nirvana (@igomild) 2015, 8月 11
こうした苦難を乗り越えて何とか山口県に辿り着いた。
防府
替え玉もあります。うまかったです。
なぜか食べ物の写真ばかりだが、偶然に過ぎない。
▲潮彩市場防府
東京築地の何百分の一の規模だが、そんなことはどうでもいい。比較は双方をスポイルするとあのクリシュナムルティも言っていた。
おれたちはここで河豚の刺身を買った。うまかったです。
まるで食べログの様相を呈しているが、偶然に過ぎない。
▲『どんどん』のうどん。地元の人にとっては珍しくもないチェーン店だが、わが家のお気に入りの店のひとつだ。
ゆめタウンを訪れて印象的だったのは、何階だったか、ダイソーがそのフロア全体を占めていたことだ。別に構わないのだが、ゆめタウンに限らず、100円ショップの増殖はいまや誰も止めることはできないようだ。
👉 うどん どんどん
願い事をすると必ず叶うという。子供の頃からあったが、そんなご利益があることは知らなかったし、願い事をする習慣は不要だった。思えば今も神社仏閣で願をかける習慣はない。ただ、下に貼り付けた写真を見ると、その気持ちも揺らがないではない。
この店には帰省したときには必ず一回は行く。安くて笑える。今回はレンタカーをフラットにした後に敷くための三つ折りのベッドマットを購入した。1,990円。それと天かすも買った。230グラムもあって、80円しなかったと思う。
萩
大河ドラマ『花燃ゆ』と世界遺産登録の影響だろう、正月でもないのに多くの観光客で賑わっていた。
▲謹慎を命じられた吉田松陰が過ごしていた部屋。
今回の松下村塾訪問で感じたことは、その良し悪しは別にして、「革新的」なことは小さな拠点から生まれるのだということだ。ガレージから生まれたアップルをふと思い出す。
最小の拠点とは、もちろん人間の頭脳である。
山口
▲湯田温泉『亀の湯』
ここは山口を発つ夜に行った。入湯料は大人390円、小学生150円。ここで汗を流し、さっぱりしたおれたち家族は湯上がりのスタイルのまま車に乗り込み再び1,000km先の横浜を目指すのだった。
まとめ
今回の帰省旅行で感じたことは、もうシェルターとしての物語はないのだということだった。あるいは、従来の物語ではシェルターの機能を果たすことは難しいと言ってもいいかもしれない。
あらゆる遺産はあてにならない時代がすぐそこまで来ている。