雨は降るがままにせよ。でも、できれば降らないでほしい。
5:00起床。
今日から休みに入った。空はどんより曇っている。予報では午後からは雨。夜にはかなりの雨量が予想されているようだ。それも激しいやつが。
そんな中、恒例となったレンタカーでの帰省旅行をする。▶︎格安レンタカー革命!激安ニコニコレンタカー|12時間2525円より!!
目的地は郷里の山口県。大体、1,000kmの行程だ。
しかも予報では、台風の影響でずっと雨の中、走ることになりそうだ。それも激しいやつが。
高速道路が使えるか気になるところだが、気にしたところで雨が止むわけでもない。
「雨は降るがままにせよ」とは、ボウルズの小説のタイトルだが、まあ大体そんな気分だ。いつも。
Let It Come Down.
雨の中の移動と言えば、10年以上前に夜行バスで郷里から品川までの旅を思い出す。
通常なら夕方出発して翌朝には到着するところを東海地方を襲った豪雨の影響で、三重県かそのあたりの山の中のSAで6時間足止めを喰らい、やっと走り始めたかと思うと、東名高速が通行止めになり、下道で愛知県を抜けた。バスの車窓から見える水位を増した河川はすべて茶色に濁っていた。一般道なので休憩もままならない。確か一回だけコンビニ前で小休止があった。そこでおにぎりか何かを買ったような覚えがあるが、気のせいかもしれない。
結局、品川に着いたのは、出発時間とほぼ同時刻だった。24時間低速バスの旅だった。
今となって見れば、それもまた思い出だ。また繰り返したいとは全く思わないが。
そう言えば、おれは「あの頃に帰りたい」とか「あの素晴らしい日々をもう一度」とか思ったことがない。少しはあったかもしれないが、どんなことも二度目には色褪せてしまうことを知ってからはそういう考えは一切なくなってしまった。
それは、帰りたくなるような過去の記憶に乏しいのでは、という指摘もなきにしもあらずだが、それは老人の世迷言か中二病に過ぎない。
だからと言って、「今が楽しい!」「今が最高!」と思っているわけではない。
単純に、時間とは「今」しかないからだ。楽しかろうが苦しかろうが、すべて「今」の中にある。
そして、「今」の中に在るとき、いわゆる苦楽を感じる自分は、本来の自分ではないということがわかる。
それはある種の「傾向」だということがわかる。
そうした「傾向」を眺めていると、それは徐々に、あるいは一気にフラットになる。
よくテレビドラマなどで心電図の波形が電子音と共にフラットになるシーンがあるが、そんな感じだ。
ドラマでは一瞬の沈黙の後、人々が泣き崩れたり、厳粛な音楽が流れたりするが、そういう演出は何もない。あるいは、目に見えるものすべてが演出であるかのように見える。
「今」あるすべてがドラマチックとなる。
そのとき、過去は過去のものとなる。
良質な映画を観た後に、テレビで退屈なドラマを観る気がしないのと似ているかもしれない。
なぜ早朝からこんなことを書いているのか自分でもわからない。当初は帰省のために準備したものとかのことを書くつもりだったのに、こんな展開となってしまった。人生は想定外の連続だ。
いずれにせよ今晩出発する。
- 作者: ポールボウルズ,Paul Bowles,飯田隆昭
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