ROAD TO NIRVANA

愛とポエムとお花のブログ。ときどき書評。たまに映画レビューとか。

長州往還② 山口 瑠璃光寺

▲瑠璃光寺 五重塔

今回の帰省では諸事情によりあまり遠出はせずに実家周辺の観光スポットを早足で巡ってきた。どのスポットも過去に何度か訪れた場所だが、都会で育った子供たちに見せるためにいくつかを回ってきた。おそらく本人たちはさほど興味はないのだろうが、自分の親、祖父母たちがそのような土地で生まれ育ったのだということを少しでも感じるためにもこのようなある種強制的な行事はあってもいいのではないかと思っている。

小学生の頃、社会科見学か何かでこの瑠璃光寺を訪れたことは覚えているが、曹洞宗の寺だということは今回初めて知った。

司馬遼太郎の碑文がある。

(長州は、いい塔をもっている)…こうした文章は地元の人々の自尊心をくすぐるのだろう。もちろん、「いい塔」なのだとは思うが、「もっている」という表現に微かに引っかかる自分もいる。

「この塔は釘を一本も使ってないんです!」と引率の先生に説明された記憶がある。ただ、それがどの程度すごいことなのかはわからない。先生がわざわざ言うのだから、すごいことなのだろうという感じだ。それでも同じような台詞を子供たちに説明する。子供たちも数十年前のおれと同じような反応を示す。

いずれにせよ五重塔は立っている。そしておれたちはそれを何百年も見上げ続けている。

▲山門

▲本堂

▲仏足石

一通り瑠璃光寺境内を散策した後は隣接する毛利家の墓所まで歩く。

▲鶯張りの石畳

この石畳を踏み鳴らしたり、手を打ったりするとその音が反響し、鶯が鳴いているように聞こえる、ということになっているがおれには鶯の声には聞こえない。反響することは確かだ。おれたち以外にも訪れた子供連れの家族が次々に手を打ったり、足を踏み鳴らしていた。緑の林にキュンキュンと音が渡る。

▲沈流亭/ここで倒幕の密議が行われたという。今で言うと、アジトだ。

かつて維新の志士たちがここに集結したらしい。今では普通に上がって内部を見学できる。

一階はフローリングに改装され、維新の志士たちの写真が飾られている。二階に上がると、6畳だか8畳だかすでに忘れたが、和室がある。2人暮らしなら何とかいけそうだが、バス、キッチン、トイレはついていない。その点では不便だが、アウトソーシング好きのミニマリストのみなさんには気に入ってもらえる物件かもしれない。

参拝を済ませたら、瑠璃光寺前の土産屋でソフトクリームを食べる。今回はおれたち家族4人に加え、義父母、カミさんの伯母の総勢7人で行ったのでソフトクリームも7つ注文した。全員が違う味のやつを。みんな違ってみんないい。

👉瑠璃光寺/wiki